はやみずの「は」

状態遷移

2014-07-30 17.11.04

7月から8月になった。 7月が終わるほんの目の前で、都会の町並みから、ビルのトンネルから抜け出すように、えいやっと引越した。 新居の周りは緑が多く、町並みは整然としていて気分が良い。なにより、目の前に立ちはだかるような高層ビルは少なく、生活に空を取り戻せたことが気持ちを晴れやかにしてくれる。 東京都心にほど近い街では、眼前は常にコンクリートに遮られ、空は頭上にぽっかり開いた窓から眺めるのみだった。

誰しも、心の中に原風景を持っていると思う。自分が生まれ育った家、よく遊びにいったあの公園、毎日の通学路、一人になれる秘密の隠れ家。目にするだけで、「ああ、これだ」と心が落ち着く風景があると思う。自分にとっての原風景は、故郷の富山の風景であり、その風景の地平線は北アルプスの山々の稜線であり、その上には常に空があった。

新居は新居で色々と以前より不都合になることもあるけれど、空を取り戻すことができたこの場所ならば、きっとがんばれるような気がしている。