はやみずの「は」

Debian wheezy と Haswell の不和

自宅サーバのOSとしてしばらくDebian wheezyを使っていたのだけれど、これまで色々と挙動が怪しい点があった。

  • Ctrl-Alt-F1 でttyを表示しようとすると画面が真っ暗になり固まる
  • rebootコマンドを実行すると、シャットダウンシーケンスに入る前に画面が真っ暗になり固まる
  • メンテナンスのために gdm3 のサービスを停止すると画面が真っ暗になり固まる

普段はほとんど画面を直接見ることもなく再起動することもないので放置していたが、最近ちょっとOpenGLを使ったものを動かしたくなったので、ちゃんとアクセラレーションを有効にするために xorg.confX -configure で生成しようとしたら、これが segmentation fault で落ちてしまって作業が進められない。

というわけでいよいよ放置できなくなってきたので調べてみたところ、どうもDebian wheezyでインストールできるintelのgraphics用ドライバはHaswell世代の内蔵GPUに対応していないというのが原因のようだった。 Haswellが2013年中旬に発売された一方で、Debian wheezyのintelドライバ(xserver-xorg-video-intel (2:2.19.0-6))は最後の更新が2012年9月だから対応してなくて当たり前ですな。 /var/log/Xorg.0.log を見てみると、次のような出力になっていて IvyBridge までしかサポートしていないことがわかる。

    15.711] (II) intel: Driver for Intel Integrated Graphics Chipsets: i810,
        i810-dc100, i810e, i815, i830M, 845G, 854, 852GM/855GM, 865G, 915G,
        E7221 (i915), 915GM, 945G, 945GM, 945GME, Pineview GM, Pineview G,
        965G, G35, 965Q, 946GZ, 965GM, 965GME/GLE, G33, Q35, Q33, GM45,
        4 Series, G45/G43, Q45/Q43, G41, B43, B43, Clarkdale, Arrandale,
        Sandybridge Desktop (GT1), Sandybridge Desktop (GT2),
        Sandybridge Desktop (GT2+), Sandybridge Mobile (GT1),
        Sandybridge Mobile (GT2), Sandybridge Mobile (GT2+),
        Sandybridge Server, Ivybridge Mobile (GT1), Ivybridge Mobile (GT2),
        Ivybridge Desktop (GT1), Ivybridge Desktop (GT2), Ivybridge Server,
        Ivybridge Server (GT2)

新しい xserver-xorg-video-intel 2:2.21 がbackportsにあるようなので、そこから入れても良かったかもしれないけど、折角なのでDebianをjessieにアップグレードすることにした。そろそろ常用するマシンでsystemdを使って慣れておいたほうが良いだろうし。

Debian jessieへの更新は、特に何も問題はなく、いつもの手順で /etc/apt/sources* を書き換え、apt-get update、apt-get upgrade、apt-get dist-upgrade で無事完了。security.debian.org のアクセスがやたら遅いのがちょっと煩わしかったくらいか。

Jessieに更新した後は、前述のようなXの問題もなくなり、OpenGLでもちゃんとハードウェアアクセラレーションが効くようになって良い感じ。 しかし、やはりグラフィクス周りはどうしてもWindowsから整備されていく分、Linuxは苦労することが多い印象。ヘッドレスなサーバに徹するのであれば問題ないけど、色々と使い回したい自宅機ではちょっと不便だなあ。